ゲストにシェリフ

今日のESLにはシェリフが二人、ゲストスピーカーとして来てくれたのであった。まだ若そうな二人である。前もってエリザベスが用意してくれたみんなの質問にそれぞれ交代したりしながら答えてくれるのである。
彼らへの質問を募集されたとき、私が思いついたのは(幼稚だけど)自家用とパトカーの区別があるのかということ。ジムキャリーの映画「ふたりの男とひとりの女Me, Myself&Irene」で二重人格の警官を演じているが、家からパトカーで出勤するシーンがあったので、家に乗って帰ったりするものなのかなぁと思っていた。警官は24時間警官なのかと....。またガススタンドでコーヒー片手にガソリンを入れたりもしてるので、まさか自腹を切ってるわけではないよね....と気になっていた。あまりいい質問が思い浮かばなかったので思い切って書いておいたら、「この質問はいいねー」と前置きして答えてくれた,....。勤務時間以外にパトカーに乗ったりはしないよ、と。もちろんガソリン代は自腹を切ったりもないのだそうだ。当然といえば当然か。


シェリフとポリスの違いは管轄の違いで、シェリフはここでいうならSanta Clara Countyが所轄になるらしい。どちらも同じ訓練を経て職についているわけなので、大きくは制服が違うぐらい。腰のまわりには手錠から無線、もちろん銃も携帯。胸板が厚いわけではなくボディーアーモーも着けているらしい。訓練さえ受ければ誰でもなれる..というわけではなくて、希望者がふさわしい人がどうか聞き合わせなどを徹底して行うそうだ。そういう人だからこそ安心して銃を持ってもらえるのかも。もちろん彼らは自分の仕事に責任を持って誇りを持って任務遂行しているわけである。「どんな些細なことでもCall 911」というのが合い言葉のように繰り返されていたのだった。事件が起こってからでは遅い。防ぐことを最大の目的としているのだ。誰かが質問した、「例えば夜遅くに家でケンカして子供が飛び出した。こういう場合は?」にも「とにかく連絡をするように。」...正直、「え?それぐらいで?」と思ったがそこが徹底している。最近は日本でも公衆トイレに子供一人で行かせるのは危険だという風潮になってきた。ここも同じで、10歳ぐらいではまだまだ自分を守れない。そういう時は子供が男の子で恥ずかしがっても、一緒に行ってくれる男の人がいない場合は女性用に連れていくべきだ、と。『君を信用していないわけではない。そこに潜んでいるかもしれない誰かが信用できないのだ、と子供にはちゃんと説明したらいい』、という(かっこいー。映画の台詞みたいだ)。
日本は警察と救急は番号が違う。911に電話したからといって、消防車も救急車もパトカーも、3種揃ってやってくるわけではない。電話の内容次第でちゃんと手配されるのだ。また言葉のハンデがあってもちゃんとバイリンガルの人はいるらしいので、通訳もしてもらえるそうだ。路上でつかまった場合もそうで、無線で通訳してくれるらしい。私が中学生の頃の英語の先生が昔話していたことを思い出す。彼はイギリス人だが尺八を奏でることができる日本通。でもパトカーに停められた時は英語しか話せないフリをするとお咎めなしになるのだと....。
警官のフリをする輩もいるらしい。不審に思えばIDを確認することも大事。(制服は誰でも買えるものなの?と聞いてみたかったけど、あまりにしょうもない質問でやめた。)
彼らの定年は51歳だそうだ。その後の生活の保障もしっかりしているらしい。でもリスクは大きい。シフトの関係ではクリスマスもサンクスギビングもないらしい。そういう意味では家族を犠牲にしているのだ。彼らが一番大事にするのは家族だということがひしひしと伝わる。子供が事故で怪我をしたり虐待されていたり、そういうのを見るのが一番辛い仕事だと言っていた。


「12歳以下の子供は家で一人で留守番をさせてはいけない」という決まりがあると聞いていたが、Californiaでははっきりと年齢が決まっているわけではないそうだ。逮捕されるわけではないのだよ。子供の状態や精神的な成熟度によるらしいので、なにぼうがお買い物に行くのをいやがって、一人で家で宿題をしているというのもアリなのだな。もちろん一緒に連れて行くのがベストなわけで、リスクがあるこをは忘れてはならない。

が。
とにかくおまわりさんのお世話にはなりたくないものである。